きれいな世界

この世界はきれいだ。
人々の笑顔、飛び交う声、抱き合う仲間
きれいできれいで、生きててよかったなぁって思う。

でも、どうしてこんなにきれいなのだろう?
きれいすぎて、何か見えなくなっている?

              
足下の世界は・・・よく見たらきれいじゃなかった。
決してきれいじゃない。

自分が信じたものがすべてだと思ったらそれは間違いだった。
世界は汚れている?なぜ?

俺みたいに自分が信じるものだけを見てる人が多いからか?
その人たちは利用され無惨に散っていく
残骸には何も残らない。

世界は狭い訳じゃない。
でも狭い視界しかなかった俺にはそれで充分だった。

でも今は・・・そんな過去の自分がたまらなく怖い。
外の世界のニンゲンから見れば、俺なんて道具も同然。


そして俺は今、その道具を見てあざ笑っている。
なぜ?きれいな世界に生きてきたはずなのに、なぜ心が汚れてるの?
希望だけを夢見て生きてきた だから希望しか見えなかった


思い知らされた。
世界は・・・きれいなんかじゃない・・・。
そして俺も、泥にまみれて、腐食されてゆくのだろうか・・・?

そんなの絶対に嫌だ。まだ希望の光を捨てた訳じゃない
捨てるわけにはいかない
散っていった者の分まで俺は生きなきゃいけない

だから・・・きれいな世界を、また見てみたい・・・
きれいな世界にたって、また笑ってやるんだ。


だから、俺はあきらめないよ。